ハード|プログラミング学習ツール

学習ツール

プログラミング学習をするためのハードウェア(以下では「ハード」と表記)を紹介します。

ここで紹介するプログラミング学習をするための「ハード」は、プログラミング学習するための「ソフト」と連携して使用します。

ハードのタイプごとにざくっとジャンル分けしてあります。

筆者が所有している/使用したことがあるハード以外は、調査した概要情報のみの記載になっています。

この記事で使っている「ソフト」「ハード」の定義についてはこちら

 

ロボット系ハード

「ロボット系」は、「ロボット」形状のものや、それに近い形状のものと思ったものになります。

筆者の調査結果や感覚では、以下のような特徴があると思っています。

  • 特徴
    • 形状がロボットタイプなので、わくわく感があり、子供が興味を湧きやすい。
    • 電子回路をそのまま見せずにロボットとして作りこんである分、キャッチ―だけど、他の学習用ハードより高額なものが多い。

 

LEGO MINDSTORMS

「LEGO MINDSTORMS」は、LEGO社が提供するプログラミング学習用ハードです。

ここの情報は、「LEGO MINDSTORMS EV3」を対象としています。

ロボットを動かすプログラムをビジュアルプログラミングソフトでプログラミングし、プログラミングを学習します。

  • 提供元
    • LEGO
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • MakeCode
    • Swift Playgrounds
  • その他
    • 日本の教育現場などで導入実績があり、日本語の情報は入手しやすそう。

 

 

Dash

「Dash」は、Wonder Workshop社が提供するプログラミング学習用ハードです。

プログラミングした命令(プログラム)にしたがい、走ったり踊ったりするロボットです。

学習者の成長に合わせて5つのステップが用意されており、ステップごとに異なったソフトを用いて学習していきます。

「Dash」で使う「Blockly」というソフトは、「Blockly Games」と同じ、Google社のビジュアルプログラミングソフト開発用ライブラリを使って作られたソフトを思われます。
  • 提供元
    • Wonder Workshop
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • MakeCode
    • Swift Playgrounds
    • 専用ソフト
  • その他
    • 日本語の情報が少ない。

 

 

Cue

「Cue」は、Wonder Workshop社が提供するプログラミング学習用ハードです。

プログラミングに興味を持った子供向けに、次のステップに進むために作られたロボットです。

「Dash」よりも、「遊び」から、より「コンピューティング」よりになったもののようです。

  • 提供元
    • Wonder Workshop
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • MakeCode
  • その他
    • 日本語の情報が少ない。
    • 国内正規代理店などはない?

 

 

Sphero SPRK+

「Sphero SPRK+」は、Sphero社が提供するプログラミング学習用ハードです。

『アプリを使い、スマホやタブレットで楽しくプログラミングを学べます。 また、全米では20,000校以上の学校で教材として使われています。 透明で強固な球体でできており、完全防水性、非接触充電などの特徴も人気の理由です。 』
Sphero社サイトより)

  • 提供元
    • Sphero
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • MakeCode
    • Swift Playgrounds
  • その他
    • 教育者向けの情報をまとめた日本語のサイトがあり、利用方法や活用事例などの情報を入手可能。

 

 

Jimu Robot Meebot

「Jimu Robot Meebot」は、UBTECH社が提供するプログラミング学習用ハードです。

『MeeBot 2.0は、LEDライトのプログラミングからダンスシーケンスのカスタマイズまで、楽しみながらインタラクティブに学べるSTEM学習体験を提供します。 』
Apple社の購入サイトより)

  • 提供元
    • UBTECH
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • Swift Playgrounds
  • その他
    • 日本語の情報が少ない。

 

 

Tello EDU

「Tello EDU」は、Ryze Tech社が提供するプログラミング学習用ハードです。

ドローン型と言えると思いますが、ここでは広い意味でロボット系にカテゴライズしました。

『たくさんの驚きがつまったTello EDUは、プログラミングも学べるので、教育にもぴったりなドローンです。Scratch/Python/Swiftといったプログラミング言語を簡単に学べます。 』
Ryze Tech社サイトより)

Ryze Tech社サイトに、「Scratchで学べる」旨が記載されているので「Scratch」も使えるかもしれません(未調査)。「Tello」のページ(以下サイト)にも『Scratchを使って、Telloをプログラミングできるようにしました』とあるので、「Scratch」が使えそうです。おそらく、「Scrattino」のように「Scratch」ベースの専用ソフトと推測します。

  • 提供元
    • Ryze Tech
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • Swift Playgrounds
  • その他
    • 公式サイトも日本語対応されており、利用事例などの情報サイトや動画などもある。

 

 

アーテックロボ

「アーテックロボ」は、アーテック社が提供するプログラミング学習用ハードです。

『アーテックブロック・ロボットパーツ・プログラミングソフト
を組み合わせたロボットプログラミングキットです。 』
アーテック社サイトより)

学研教室などで採用されています。

初代アーテックロボはArduinoをベースに設計開発されたStuduinoを使っていましたが、アーテックロボ2.0はmicro:bit互換コネクタ搭載のStuduino:bitが採用されています。

  • 提供元
    • 株式会社アーテック
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • アーテックロボ専用ソフト(Scratchベース)
  • その他
    • 日本の会社が作ったものなので日本語対応の不安なし。
    • 民間企業の教室などで導入していることがいくつかある。

 

 

KOOV

「KOOV」は、ソニー社が提供するプログラミング学習用ハードです。

『KOOVとは、ブロックで自由な「かたち」をつくり、 「プログラミング」によってさまざまな「動き」を与えて遊ぶ、 ロボット・プログラミング学習キットです。 』
(KOOVサイト「KOOVとは」の「KOOVの特徴」より)

  • 提供元
    • ソニー株式会社
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • KOOV専用ソフト
  • その他
    • 日本の会社が作ったものなので日本語対応の不安なし。

 

 

ゲーム系ハード

ゲーム端末タイプなので、ゲーム好きな人向けです。

ロボット系に比べれば安価(¥5,000以内程度)で、ゲーム好きな筆者としては「買ってみてもいいかも」と思える価格帯なのですが、高いという印象を持つ方もいらっしゃるようです。

「ゲーム」のように明確な目的を設定した上で、プログラミング学習を行うほうが、「まず何を作ったらいいんだろう」のような悩みからは解放されます。

 

Meowbit

「Meowbit」は、Shenzhen Kitten Technology社が提供するプログラミング学習用ハードです。

「Meowbit」は、画面とコントローラが一体になったハードで、「MakeCode」の「Arcade」というレトロゲームを作成できるツールを使って利用します。

ゲームを作ってみたいという人には、なかなかそそられるハードだと思います。

 

 

ARCADE for MakeCode Arcade

「ARCADE for MakeCode Arcade」は、Kitronik社が提供するプログラミング学習用ハードです。

「ARCADE for MakeCode Arcade」は、画面とコントローラが一体になったハードで、「MakeCode」の「Arcade」というレトロゲームを作成できるツールを使って利用します。

ゲームを作ってみたいという人には、これまたそそられるハードだと思います。

「Meowbit」よりちょっと高め(¥5,000程度)ですが、サイズが大き目なので、ボタンなどの操作性はよさそうです。

 

 

電子工作系ハード(初級)

電子工作することを前提とした基板むき出しタイプの学習用ハードであり、電子工学を意識した学習に向いています。

そこが魅力でもあるのですが、苦手意識を持たれる人もいるかもしれません。

ただし、簡素な作りをしているので、子供でも扱いやすいと思います。

比較的安価(概ね¥2,000~3,000程度)で購入できるものが多いため、入門用に手を出しやすいです。

 

micro:bit

「micro:bit」は、マイクロビット教育財団が提供するプログラミング学習用ハードです。

BBC(英国放送協会) が開発し、現在は同財団がサポートしています。

「BBC micro:bit」と表記されることも多いですが、公式サイトには「micro:bit」「BBC micro:bit」いずれの記載もあるため、どちらでもよいみたいです。

「micro:bit」はポケットサイズのコンピュータで、ビジュアルプログラミングソフト(MakeCodeなど)でソフトをプログラミングできます。

本体とは別売りのセンサなどのオプションパーツを追加することで、多彩な学習が可能です。

2016年にBBCは「Make It Digital」キャンペーンと銘打って、イギリス国内の11~12歳のすべての子供に「micro:bit」を無償配布したことを皮切りに、現在も多くの国で利用されています。

 

 

  • 提供元
    • マイクロビット教育財団
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • MakeCode
    • Scratch
  • 注意
    • 無線通信デバイス(Bluetooth)機能が付いているため、日本国内で利用する場合は「技適」取得品の購入をおすすめします。
  •  その他
    • 日本語の書籍やサイトが多く存在するため、学習や教育で使う際に情報には困らない。
    • IT教育が進んでいるイギリス発祥というのは少々心強い。

 

 

Circuit Playground Express

「Circuit Playground Express」は、Adafruit社のプログラミング学習用ハードです。

micro:bitと同様、本体とは別売りのセンサなどのオプションパーツを追加することで、多彩な学習が可能です。

 

 

Chibi Chip

「Chibi Chip」は、Chibitronics社が提供するプログラミング学習用ハードです。

『ChibitronicsのLove to Code(LTC)は、ソフトウェアのインストールなしで、誰もが簡単にプログラミングを試すことができるように設計されたシステムです。 』
スイッチサイエンス社サイトより)

  • 提供元
    • chibitronics
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • MakeCode
  • 購入サイト
  •  その他
    • 日本語の情報が少なそう。
    • 「Chibi Chip」単体で$35.00程度~「Love to Code Creative Coding Kit」)で$108.00程度。

 

 

電子工作系ハード(中上級)

ここで紹介するのは、上述の「初級」同様、基板むき出しタイプの学習用ハードであり、同じく電子工学を意識した学習に向いていますが、より汎用的であり、より高度なことが実現できるものになります。

「機能を最小限にまとめたコンピュータ」と言えるものです。

汎用的に電子部品や機器を接続して動かすことができるため、いろんなセンサをつなげて動かして遊んだりできます。

いろんな人がプログラミング学習に利用できるだけでなく、研究者が商品のプロトタイプや研究機材を作ったりすることにも使えます。

汎用性がありすぎて、目的意識がないと挫折しやすいかもしれません。書籍等に書いてある物を作るとか、「こんなのを作りたい」という目的のもとに、パーツ類を買っていくとかがおすすめです。

本体のみなら十分使える最安モデルが¥10,000以内で購入できるため、手を出しやすいですが、パーツなどを買っていくと費用がかさんできます。

 

Arduino

「Arduino」は、Arduino.ccが開発&管理しているソフト、ハードなどから構成される開発/学習ツールです。

「Arduinoボード」と呼ばれるハード(ワンボードマイコン)と、「Arduinoソフトウェア」(「Arduino IDE」と「Arduino Web Editor」がある)と呼ばれるソフトから構成されます。

ハード、ソフトともにオープン(誰でも自由に使える)であり、オープンな仕様をもとに開発したハードを各社が販売しており、ソフトはArduino.ccがフリーで提供しています。

遊んだり、学習したりするためには、「Arduinoボード」とそれにつなげられる電子部品を購入し、ソフトをパソコンなどにダウンロードする(またはブラウザでソフトを利用する)必要があります。

詳細な使い方は、書籍やネットの記事が沢山ありますので、ここでは割愛します。

Arduino.ccサイトのチュートリアルにも、そこそこわかりやすく情報がまとめてあります(ブラウザの日本語訳機能だけでもそこそこ理解できる文章だと思います)。

  • 提供元
    • Arduino.cc
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • Arduino専用ソフト「Scrattino」(Scratchベース)
  • 購入サイト
  •  その他
    • 日本語の書籍やサイトが多く存在するため、学習や教育で使う際に情報には困らない。
    • テキストプログラミングツールは以下がある。
      • 「ArduinoIDE」(アプリ版)
      • 「Arduino Web Editor」(ブラウザ版)
    • 本体のみなら比較的安価(¥3,000~6,000程度)。
      • パーツ類は充実している。
      • Raspberry Pi用のパーツを相互流用できる。
      • スターターキットがおすすめ。

 

 

Raspberry Pi

「Raspberry Pi」は、ラズベリーパイ財団が開発&提供しているハードです。

「Raspberry Pi」は、シングルボードコンピュータと呼ばれるもので、簡単に言うと小さなパソコンです。

ラズベリーパイ財団が「Raspberry Pi」上で動作する「Raspberry Pi OS」(Linuxベース)(旧称Raspbian)というOSを提供しており、OSを使ったプログラミングが可能なのが大きな特徴です。

「LinuxベースのOSが入った簡素なコンピュータ」であるため、「Raspberry Pi」専用のプログラミングソフトというものは存在せず、用途に合わせて随時必要なプログラミングソフトを使用することになります。

  • 提供元
    • ラズベリーパイ財団
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • Scratch
      • ただし、Raspberry Pi専用の「Scratch 3 Desktop for Raspbian on Raspberry Pi」
  • 購入サイト
  • 注意
    • 無線通信デバイス(Bluetooth)機能が付いているため、日本国内で利用する場合は「技適」取得品の購入をおすすめします。
  • その他
    • 日本語の書籍やサイトが多く存在するため、学習や教育で使う際に情報には困らない。
    • テキストプログラミングツールは以下がある。
      • 「ArduinoIDE」(アプリ版)
      • 「Arduino Web Editor」(ブラウザ版)
    • 昨今高機能化が進み、本体のみでもちょっと高額になってきた(Raspberry Pi 4BのRAM4GB版で¥8,000程度)。
      • パソコンの周辺機器も使える。
      • Arduino用のパーツを相互流用できる。
      • スターターキットがおすすめ。

 

 

その他ハード

上述の各タイプのどれにも属さないかな、と思ったものを集めました。

MESH

「MESH」(メッシュ)は、ソニー社が提供するプログラミング学習用ハードです。

『MESH(メッシュ)は「Make、Experience、SHare」の略。作り、体験し、共有する。
MESH なら、プログラミング言語を知らなくても、やりたいことをプログラミングで直感的に、簡単に組み立てることができます。
失敗しても大丈夫。何度も試行錯誤できるから、失敗と成功の体験が積み重なる。 積み重なった体験は自信となって、生きる力につながります。
プログラミングとものづくりを通して普遍的な力が身につくツール――それがMESHです。 』
(MESHサイト「MESHとは」より)

ブロックやソフトのデザインもキュートで、他のツールとは違った世界観のツールであり、独創的でおもしろそうです。

  • 提供元
    • ソニー株式会社
  • ビジュアルプログラミングソフト
    • MESH専用ソフト
  • その他
    • 日本の会社が作ったものなので日本語対応の不安なし。
    • フルセットだとまずまず高額(¥35,000程度)。


 

 

補足情報

ソフト・ハード対応表

「ソフト」で利用できる「ハード」または「ハード」で利用できる「ソフト」の対応表は以下リンクを参照ください。

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