いつも使っている錠剤をカットするためのハサミ「錠剤ハサミ」がとても便利なので紹介したいと思います。
半量ずつ飲む必要がある場合や子供用に飲みやすくする場合などにとても重宝します。一度使ったら手放せないです!
目次
錠剤をカットするのが難しい(きっかけ)
【ケース1】半量ずつ飲むべき錠剤を半分にカットする
日常的に継続して大人の自分が飲む錠剤の中に半量ずつ飲む必要があるものがあります。
1回1錠だとすると毎回1錠の錠剤を半分にカットして飲むことになります。
この錠剤のカット作業において以下のような「うまくカットできない」という課題があります。
- 硬い錠剤はカットするのが難しい
- 当初は錠剤は爪で圧力を加えてなんとか割ることができていたが爪だと割りにくい。
- ジェネリックに切り替わった後硬くなってカットするのが難しくなった(できても手が痛い)。
- 一般用途のハサミなどでカットを試みてもきれいにカットできなかったり錠剤が潰れたりする。
- きれいに半分にカットできない
- 該当の錠剤は真ん中に割線(半分にカットしやすくする溝)に沿って割ろうとしてもきれいに半分にカットできないことがある。
- カットすると2分割以上に分割されてしまったり破片の屑が出たりすることがある。
- そもそも割線がないものは半分にカットするのが難しい。


【ケース2】子供が飲みやすいように大きな錠剤をカットする
一方、病院で子供用に処方された薬の中に子供が飲みづらい大きさの錠剤が含まれることがあります。
この場合、該当の錠剤を飲みやすい大きさにカットする必要がでてきます。
この場合にも上述と同様の「うまくカットできない」という課題が発生します。
日常的に錠剤を飲む場合には毎回の作業が面倒
我が家では上述した2つのケースで家庭内で日常的に錠剤をカットしたい場面が出てきました。
頻度が低いとまあいいかと考えられたのですが、さすがに面倒だし僅かずつストレスを感じるようになってきました。
というわけで、何かしらよいツールやノウハウを導入して課題を解決したいと思い立ちました。
錠剤ハサミを買ってみた
錠剤ハサミって?
以前に薬局で「カットしにくいねん」という悩みを少しもらしたときに、薬剤師さんから「錠剤をカットするため専用の錠剤ハサミがあるので買ってみてはどうでしょう?」と助言をもらったことがあったのでネットで調べてみました。
複数のメーカーが販売しているいくつかの製品がありました。各社が工夫されている「錠剤をカットしやすいようにするための刃先(錠剤をカットする箇所)の形状」に着目すると、概ね以下の2つに大別されるように思いました。
- 刃先が丸形のタイプ
- 両方の刃先が丸くえぐられた形をしている。
- 錠剤を挟むときに錠剤をしっかりつかんでカットすることができるっぽい。
- 閉じたときに刃先が平行になって隙間ができるタイプ
- ハサミを閉じきったときに刃先が平行になる&隙間ができる。
- 錠剤に均等&適度な力をかけてカットすることができるっぽい。
以前、「一般用途のハサミを使って錠剤を切ってみたときに、ハサミを閉じ切ったときに刃先がV字になって錠剤が滑ったり均等に圧がかからずにきれいにカットできなかった」という経験がありました。
なので今回は、後者の「閉じたときに刃先が平行になって隙間ができるタイプ」から選ぶことにしました。
購入した製品
購入した錠剤ハサミは大同化工社製の「お薬チョッキンミニ HC-200」です。
同社の錠剤ハサミには以下の2つがあります。
- お薬チョッキンミニ HC-200(購入したほう)
- 対応錠剤サイズ:1.3mm以下は不可、3.4mm以上は不適
- お薬チョッキン HC-100
- 対応錠剤サイズ:1.6mm以下は不可
より小さ目の錠剤もカットしたいので「お薬チョッキンミニ HC-200」にしました。
誤記や誤認があるかもしれませんので詳細や正確な仕様は公式サイトなどをご参照ください。
購入した製品の現物
実際に購入してすでに愛用している錠剤ハサミ「お薬チョッキンミニ HC-200」の現物の写真です。
本体
金属部の材質はステンレスです。


サイズ感
一緒に写っている電池は単三乾電池です。

刃先の形状
「お薬チョッキンミニ HC-200」と「一般用途のハサミ」のそれぞれの刃先の形状の比較です。

(平行&隙間あり)

(V字になるので力が均一にかからない&錠剤がすべる)
商品のレビュー(カット実例)
自分は「お薬チョッキンミニ HC-200」をすでに日常的に愛用しています。
今回、本記事執筆のためにあらためて写真を撮ってカットの実例をまとめてみました。
今回カットする錠剤
今回は「トーワ カルボシステイン 500mg」という錠剤をカットしてみました。
アレルギー性鼻炎で重宝する薬で、錠剤が苦手な子供とかにとっては少々大きく手強いやつです。


【カット実例】錠剤を直接カットする
まずは、一般的な錠剤に対し錠剤ハサミを直接当ててカットする方法についての解説します。
具体的なカット手順は次の通りです。あくまで自分のやり方です。
- 錠剤の割線が真上に向くようにする
- 錠剤ハサミで錠剤を挟む
- 割線の真上から見て
『「錠剤の上側の刃先の左端ライン」と「錠剤の下側の刃先の右端ライン」が錠剤の割線に沿うように(ポイント1)』して、
『刃先の根元で(ポイント2)』錠剤を挟む。
- 割線の真上から見て
- 錠剤ハサミを握って錠剤をカットする(一般のハサミと同じ要領)
- 錠剤ハサミを握って
『ゆっくり力を加えていき(ポイント3)』、
『錠剤がパキっと割れた感触がしたところで力をゆるめる(ポイント4)』。
カット後の錠剤 - きれいにカットできています!
- 錠剤ハサミを握って
上述の手順における各ポイントの意図は以下の通りです。
- ポイント1
- 「割線できれいに切断する」ため。
- 刃先のラインが割線とずれると割線に沿ってカットできない。
- ポイント2
- 「少ない力でカット」「錠剤をずれにくくする」「割線に沿いやすくする」ため。
- ポイント3、4
- 「屑を出にくくする」ため。
- 強い力で一気に切断すると屑が出たり錠剤がずれたりすることがある。
- 握力だよりで切断するのではなく、最低限の力を加えて錠剤が勝手に割れてくれるようにするイメージ。
カットで屑が出る問題
「錠剤を直接カットする」方法では、次のような「カットした際に錠剤の破片の屑が出る問題」が発生します(または、発生しやすいです)。
- 錠剤ハサミの刃先に屑が付着する
- 錠剤を直接刃先に触れさせてカットするため破片の屑が必ず付着する。

- 錠剤を直接刃先に触れさせてカットするため破片の屑が必ず付着する。
- 屑がいっぱい出てしまうことがある
- 硬質な刃を直接当ててカットするため力の掛け具合によっては錠剤が欠けやすい(と感じている)。

- 硬質な刃を直接当ててカットするため力の掛け具合によっては錠剤が欠けやすい(と感じている)。
この問題は次の「包装の上から錠剤をカットする」方法で概ね解決できます。
なので、自分は次節で紹介する「包装のまま錠剤をカットする」方法でカットすることが多いです。
【カット実例】包装のまま錠剤をカットする
次に、包装のまま錠剤をカットする方法を解説します。
包装の上から(包装ごと)カットすると上述した「カットで屑が出る問題」を概ね解決できます。
錠剤に対し錠剤ハサミを直接当ててカットする方法と同じく軽い力できれいにカットできます。
なお、今回の対象の錠剤は割線が一方の面にしか彫られていないので、錠剤の割線が「上向きの場合」と「下向きの場合」が存在します。
自分はそれぞの場合で少しカット方法を変えているので以降の節にてそれぞれの場合を個別に解説していきます。
錠剤の割線が上向きの場合
「錠剤の割線が上向きの場合」に「包装のまま錠剤をカットする」方法を解説します。
具体的なカット手順は次の通りです。
- 包装された錠剤を用意する
- 今回のカット対象の包装された錠剤。

- 左側の錠剤の割線は下向き(割線が裏面なのでが上面に見えていない)、右側の錠剤の割線は上向き(割線が上面に見えている)で、この右側の錠剤がカット対象。
- 今回のカット対象の包装された錠剤。
- 包装のまま右側の錠剤の割線に沿って錠剤ハサミで錠剤を挟む
- 挟み方のポイントは「錠剤を直接カットする」方法と同じ。

- 挟み方のポイントは「錠剤を直接カットする」方法と同じ。
- 錠剤ハサミを握ってカットする
- カットの仕方のポイントも「錠剤を直接カットする」方法と同じ。
- カット後はこんな感じ。

- カット後の包装の裏はこんな感じ。カットの際に錠剤が出てこない程度に裏が破れる。

「錠剤を直接カットする」方法に比べ、刃先に屑を付着させることなくカットできます。
実感レベルですが、錠剤にステンレスの刃先が直接当たらず外装越しに当たるので錠剤の屑も若干出にくいです。
カット後に裏面が千切れてアルミ屑が出た場合に誤飲しないように注意が必要ですが、これは(カットせずに)普通に薬を手で取り出すときと同じ注意点になります。
錠剤の割線が下向きの場合
「錠剤の割線が下向きの場合」に「包装のまま錠剤をカットする」方法を解説します。
具体的なカット手順は次の通りです。
- 包装された錠剤を用意する
- 今回のカット対象の包装された錠剤。

- 左側の錠剤の割線は下向き(割線が裏面なのでが上面に見えていない)、右側の錠剤は取り出し済みで、この左側の錠剤がカット対象。
- 今回のカット対象の包装された錠剤。
- 割線を上向きにする
- 具体的には、包装の底を爪などでやぶって、錠剤を出し、錠剤を裏返して入れ戻し、底を閉めます。

- 左側の錠剤の割線が上向きになった状態。底はやぶれている。

- 具体的には、包装の底を爪などでやぶって、錠剤を出し、錠剤を裏返して入れ戻し、底を閉めます。
- 包装のまま左側の錠剤の割線に沿って錠剤ハサミで錠剤を挟む
- 錠剤の割線が下向きの場合(最初から上向きになっていた場合)と同じ要領。

- 錠剤の割線が下向きの場合(最初から上向きになっていた場合)と同じ要領。
- 錠剤ハサミを握ってカットする
- 錠剤の割線が下向きの場合(最初から上向きになっていた場合)と同じ要領。
- カット後はこんな感じ。

裏返さずに割線が下向きのままでもカットできますが、自分的には(若干面倒ですが)裏返してからのほうがきれいにカットしやすいと思っています。
上向きのときよりもアルミ屑が出やすいと思います。上述同様にアルミ屑を誤飲しないように注意が必要です。
【余談】錠剤半錠器というのもある
自分は今回購入した錠剤ハサミを「包装の上から挟んでカットする」という使い方もしていますが、これはメーカーの推奨する使用方法ではありません。
これに対し、今回購入した錠剤ハサミのメーカー大同化工社からは「包装のまま錠剤をカットするツール」である「錠剤半錠器 プチはんぶんこⅡ HC-002」という製品が別途販売されています。
同社のWebサイトで見つけただけで自分は使ったことがないですが参考になるかと思ったので紹介だけしておきます。

