娘から感染し、約1年に渡った「大人の手足口病」の地獄の体験を綴ります。
2019/7/21から2020/9/23までの「発症→水疱性発疹→グリーンネイル→陥入爪→手術」の経過を症例写真をもとに紹介しています。2024年に悪化してきた陥入爪についても追記しました。
【フェーズ0】発症
2019/7/21~7/24:子供の発症
娘(当時2歳)が発熱。その後、足などに赤い発疹が出てきたので、保育所を休んで病院に行きました。
手足口病と診断されました。
手足口病は幼児が発症しやすい病気で、子育てをしている家庭ではよく耳にする感染症です。うちの場合は、息子(彼女の兄)も以前なりました。
しかし、べたな病名だと思っていましたが、英語名も「HFMD:Hand, Foot and Mouth Disease」で同じなんですよね。
治療薬が特別あるわけでなく、治るまで待つしかないとのこと。
この年のこの時期は、世の中で流行していてニュースなどでも取り上げられており、 当時保育所でも流行っていました(たしか)。
保育所は2日休みましたが、その後元気になって登所可となったため保育所に行きました。
執筆に際し改めて「登園可否」について調べると、国立感染症研究所のWebサイトに以下のような記述を見付けました。本人がしんどいなら休むというのが正しいみたいです。
2019/7/28:自分の発症
娘の症状がほぼ収束してきたとき、私(娘の父)の手に発疹が。。。
今度は私が手足口病に感染しました。
娘の発病後、感染らないようにある程度ケアしていたつもりだったのですが、私が主夫をしているために始終べったり看病する必要があり、かつ、娘が小さくぐったりしていためにいつも以上に接触を伴って(だっこなど)過ごす必要があり、とうとうもらってしまいました。
今(2023年)になって考えると、コロナ禍で消毒や手洗いを徹底するのに比べたら、 当時(コロナ禍前)の消毒などのケアもずいぶんザルだったように思います。
とにかく、痛いし、痒い。
このときはまだこれからの壮絶な戦いを予期できていませんでした。
なお、以降はすべて、娘ではなく執筆者自身の状態を紹介したものになります。
【フェーズ1】水疱性発疹→ゾンビ化(約1か月間)
2019/7/29:手に発疹が広がる
昨晩(発症日の晩)は、あまり眠れませんでした。
このときの主な症状は以下の通りです。
- 手足は刺すように痛い。
- 手首から先全部が火傷したような感じ。
- ぬるま湯に手をつけても痛い。
- 日光でも痛い。
- 車のハンドル操作するのも痛い。
- お茶を飲んでも痛い。でも、手足に比べたら喉はましなほう。
症状のピークがどこなのか想像つかないのが恐ろしい。
なお、病院には行っていません。
娘が手足口病と診断されたとき、お医者様から「ただひくのを待つしかない」と言われ、薬もでなかったので、大人も同じだろうと思ったからです。
一般的に、子供の発疹はさほど痛くないらしいけど大人は痛いとのこと。
現状がその通り、というか、想像以上に痛いんですが・・・
なお、あらためて調べてみると、感冒(風邪)と同様に「対症療法」(原因を取り除くのではなく緩和などを行う療法)しか対処法がないみたいです(2024/6/18時点)。
2019/7/30:発疹と痛みがピーク
このあたりが、いろいろと(このフェーズの)ピークでした。
各箇所の症状は以下の通りです。
- 手
- 日に日に、見た目がひどくなってて、過去中、今が一番ひどい。痛さも一番痛い。
- 手を洗う、物を持つ、とかだけできつい。
- 家事はとにかく皿洗いがつらい。つらすぎる。
- 水疱がずいぶん硬くなってきてるのだけは良化傾向?
- 手の発疹増加のピークはすぎたかも。
- 足
- 手ほど発疹多くないけど、過去中、一番痛く、歩くのつらい。
- 手より後からきたからまだピークではないかも。
- 口(喉)
- 過去中、今が一番喉が痛く、食事がきつくなってきた。なんとか食べてる。
- 足同様に、手より後からきたからピークまだかも。
2019/7/31:ピークは越えたか!?
長く続いていて気持ちがしんどく、終わりが見えないのがとにかくしんどいです。
でもピークは越えたかもしれません。
このときの症状は以下の通りです。
- 食事きつい。唾飲み込むだけで痛い。
- 手洗いが痛い。
- 熱は、最大38.5まで出たけど、今は37.0ぐらいまで引いてるのでしんどくはない。
- むしろ、熱下がってから発疹出てくるのは娘と同じなのでまあこんなもんかと。
- 妻の助言で、鎮痛剤を飲み始めたせいか、昨日はよく眠れた。
- その他症状も、部位ごとの差はあれ、今日一日で一気に良化してきた。
- 手は見た目グロいけど、かなり痛さがなくなった。峠は越えたみたい。
- しかし、まだ次のフェーズがあることはこのとき知る由もない。
家族の状況は以下の通り。
- 息子、妻は今んとこ大丈夫。
- 息子はかかったことあるから、型が一緒なら免疫あると思われる。妻は不明。
- 娘は、長く手足口病の影響の下痢が続いててお尻がただれててかわいそう。
2019/8/1:収束するのか!?
手、足はもうほとんど痛くないので大丈夫。
喉もマシになってきたのでご飯も食べられている。
きっともう大丈夫だろう(と、このときは思っていた)。
2019/8/2:ゾンビ化開始(皮むけ開始)
手の皮がむけてきました。ゾンビみたいです。
手の皮がむけてきてるの治ってきてるってことと思っとく(と思ってました)。
2019/8/4:ゾンビ化末期
ゾンビ化のだいぶ末期です。
ズルズルでまじキモいです。
【フェーズ2】グリーンネイル→爪剥がれ(約3か月間)
2019/8/26~9/3:グリーンネイル開始
ゾンビ化した手がすっかりきれいになってきて安堵していたところ、何やら爪がキモい色になってきました。「グリーンネイル」と呼ぶ症状らしいです。
- 病名(症状名)
- グリーンネイル(グリーンネイルシンドローム:緑色爪症候群)
- どんな病気か
- 爪が緑膿菌に侵される病気。
- 緑膿菌はどこにでも普通に存在する菌なので、感染るとかは気にしなくていいそう。
- 最終的に、すべての爪が剥がれ落ちるらしい。
- どういうときになるか
- 手足口病の発疹の後にも起きることがある。
- 付け爪(特にジェルネイル)をしてる人はなりやすいらしい。
- 痛さなどの実感
- がっつり痛いというより、全部の爪が突き指した感じの違和感が強い。
- 水筒についている部品のゴムを外すのが痛い。
- 風呂に入っているときに耳の中を洗うのが無理すぎ。
- 爪の根本が剥がれはじめてくると少々痛くなってきた。
- 備考
- 娘はならなかった。大人だけ?子供は強い?たまたま?
- この年の手足口病は、大人に感染る率が高かったみたい。
- 妻の職場の人(男性)が子供から感染って自分と同じように大変だったとのこと。
2019/9/11:爪が二重に
新しいまともな爪が育ってきて、古い爪(ダメになった爪)の部分を排除しようとするために、古い爪が押し出され、爪の根本が二重になってきました。
古い爪の根本の押し出されてきた部分が鋭利になって少し浮いているので、日常生活をしていて、この部分に物がひっかかると、爪の下の肉が瞬間的に勢いよくひっぱられ「ヴッッッッッ」ってなります。
例えば、洗濯物を取り入れる際(さらに特に洗濯物の表裏をひっくり返す際)に、爪が服にひっかって痛すぎて悶絶します。
一番痛いのは、娘が風呂から出た後、髪を拭いてやるときに、髪が爪のこの部分にひっかかってスーーーっとスライドしてしまうときが超絶痛いというか、精神がえぐられる感じがします。
下に新しい爪ができてきているから、めくれて解放されるのだろうと祈るほかありません。
2019/9/12~9/25:爪が崩壊
古い爪の根本の部分の浮きがより激しくなり、ぼろぼろに崩壊してきました。
2019/10/1~10/11:爪が剥がれていく
こんな感じで、爪の根本ががっつり浮き上がってきました。
生活していると何につけどこかによく引っかかるのでクソ痛いです。
爪系の拷問があると聞きますが、頷けると思えるぐらい精神へのインパクトが大きく、マジしんどいです。
それはそれとして、「このめくれてる状態の形状ってなんかカッコいいフォルムで既視感あるな」とずっと思っていたのですが、やっとわかりました!これです↓
フロントフードのほうがエッジがよりそれっぽいのですが、手持ちのこのミニカーはリアフードしか開かないのでお伝えできなくて少し残念。興味がある方は「stratos hood open」あたりで画像検索してみてください。
以下は剥がれ末期です。
足は遅れて症状が進んできました。症状がない指もあり、見た目も手より激しくないです。
2019/10/18~10/24:カットしたら少しましに
爪の根本が剥がれてきているところがひっかかって痛いので、(先ではなく生え際方向にギザってるところを)爪切りでカットし始めました。
これで少しはひっかかりがましになり楽になりました。でも、少しだけ爪が残って取れそうで取れないところとかに、グッと力がかかってしまうとごっつ痛い。
完全に古い爪が剥がれきった指も出てきました。もうちょいです。
2019/12/4:グリーンネイルほぼ収束
足の爪はまだ調子悪いですが、手の爪はほぼきれいになり、グリーンネイルほぼ収束です。
グリーンネイルのフェーズの総括は以下の通り。
- 手の爪は、伸びるのが早いせいか、全部きれいに抜けてきれいな爪になった。
- 足の爪は、伸びが悪く、なかなか剥がれず、自然に剥がれるの待ってたら、後ろから新しい爪が押し出して詰まってきて痛かった。
- もっと早いめに病院行って手動で剥がしてもらったらよかったのかもしれない。
しかし、ここでまだ終わらない・・・
【フェーズ3】陥入爪→手術
2020/2/3~2/7:右足の親指痛い→病院へ→手術決意
右足の親指痛い
手足ともに爪はきれいになりました。しかし、日常生活において大きく支障はないのですが、なんか足の親指に違和感がありました。
グリーンネイルの後遺症で足の親指に爪が食い込んできているようでした。
爪が部分的に、分厚くなって、硬化して、変形して、巻き爪になった感じです。
↓こんな感じ。いまいち、この写真では伝わりづらいかもしれません。
左足は痛いとまではいかないのですが、右足の親指をどこかに当てたりすると激痛が走ります。
例えば、靴を履くときに、かかとを入れようとして、つま先をコンコンとしたりするととても痛い。履くのに少し時間かかります。
意図せず右足の親指がどこかに当たらないように、家の中で歩くときは、ずっと気を付けていないといけずしんどい。当たってないときでも、不意に時々痛い。
病院へ→手術決意
がまんできるかなと思って、日々耐えてましたが、半年近く手足口病関連でずっと不自由してて、精神的にもうんざりだったので、すがる思いで近くの病院(診療所)へ行きました。
お医者様から受けた説明は、「陥入爪(巻き爪)は放置しても治るものではなく(ずっと巻いた爪が出てくる)、外科手術しないと完全に治すのは難しい」でした(たしか)。
この時期はコロナ禍に入り、世間的には外出や人が集まる場所に行かないほうがよいという状況で、不用意に病院で手術というのも怖いなあと葛藤がありました。
でも結局、「これずっとやとちょっと生活しんどいので早く楽になりたい」という思いが強く、陥入爪の手術を選択しました。
手術なので大きな病院への紹介状を書いていただき、紹介先の病院にて翌月の手術を予約しました。
なお、左足は一旦様子見で痛くなったらやることにし、今回は痛いほうの右足だけの手術です。
2020/3/1:手術前日
以下は手術前日の足の状態です。
2020/3/2:手術
手術当日です。形成外科手術になります。
手術名は「右第I趾陥入爪」。「右第I趾」は「右足の親指」の意味です。
右足の親指の爪の左側(巻いて食い込んでいるほう)を根本の皮膚に隠れているところも含め一定幅除去する手術になります。なので、手術後は左より爪の幅が狭く(爪が縦長に細く)なります。
ちょっと忘れましたが、車の運転は危ないので、サンダル持参で電車で行って、片足だけサンダルで帰ってきたような気がします。
2020/3/3~3/4:手術後
手術日の翌日は再診。
すでに術前より痛くないぐらいだったので、この日は子供たちの学童保育と保育所のお迎えにも車で行けました。
↓術後の状態(グロ注意!)。
患部が安定するまでの間、風呂に入るときには、ビニール袋を右足にかぶせて入っていたように思います。毎日、患部をアルコール(だったと思う)できれいにして、処方された軟膏をぬりぬりします。
2020/4/10~6/26:手術後の経過
手術後の経過です。
2020/9/23:右足の陥入爪ほぼ完治
この頃には手術した痕はほぼわからなくなり、一応完治ということになります。
ですが、実際のところは、まだやっぱり違和感があって、巻いていた爪のところが窮屈なつっぱった感じです。このつっぱった感じは、執筆時の2023年3月においても変わらないです。完全に元の状態に戻すのは難しいのかもしれません。
【フェーズ4】陥入爪ふたたび
陥入爪の話なので流れ的には「フェーズ3」の続きになりますが、前回からずいぶん時間があいたので「フェーズ4」と題しております。
2024/8/13~8/15:左足の親指痛い→病院へ
左足の親指痛い
右足の陥入爪の手術から4年がたちました。
左足親指の巻き爪(手術してないほう)はずっと「違和感あり」だったのですが、痛いというところまでには至ってなかったので放置していました。
しかし、ここにきて「違和感」が急に「痛い」に変化してきました。
とりあえず、巻いている箇所の爪を自分でしっかり切ってみました。でもまだ痛いままです。
病院へ
その後様子見していたのですが、痛さがおさまることはなく、走ったりするときにはちょっときつい感じになってきました。ということで、手術も少し覚悟しつつ(右足でもお世話になった)病院(皮膚科)に行くことにしました。
結論として今回は、病院で巻いてる箇所を爪切りで切ってもらって、抗生剤や塗り薬を処方してもらい、経過観察することとなりました。
痛さが再発したりがまんできなくなったらまた相談しにいこうと思います。
なお、医師からは「痛くなったら随時切りにきてもらってもいいよ」との言葉をいただきました。そういう方法もあるのですね、ありがたいです。
総括(教訓や振り返り)
大人の手足口病について、経験をもとにした教訓や振り返りを書いてみます。
あくまで筆者の経験論的総括と捉えていただき、正しい知識は医師や専門家の情報を参考になさってください。
- 全体
- 大人の手足口病は地獄。
- 半年以上、複数のフェーズに渡り違う症状で、全フェーズがそれぞれきつい。
- 大人の手足口病は地獄。
- 手足口病になる前
- 子供が手足口病になったら、もらわないように可能な限りの対策を実施したほうがいい。
- こまめにうがい&手洗い。
- 冷水でない水でうがい&手洗いがよいそうです。
- 出典:関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2024/6/18回の医師説明
- アルコール消毒は効果が小さい(期待できない)。
- 手足口病の原因となるウイルスはノンエンベロープウイルスであるため。
- 出典:関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2024/6/18回の医師説明
- 子供の食べ残しは食べずに廃棄。
- こまめにうがい&手洗い。
- 子供が手足口病になったら、もらわないように可能な限りの対策を実施したほうがいい。
- 手足口病になった後
- 発疹が出たら(フェーズ1)
- 治るまで基本耐えるしかない。
- 代わってもらえるなら家事など代わってもらう。
- グリーンネイルになってしまったら(フェーズ2)
- 爪の剥がれは、日常生活を送りやすくする方法などを医師に相談したほうがよいかもしれない。
- 陥入爪になったら(フェーズ3)(フェーズ4)
- 手術するという選択肢がある。
- 手術までしなくても、爪を病院で切ってもらうことができる(巻きすぎてると自分で切るのは難しい)。
- 発疹が出たら(フェーズ1)